⚠このブログはカンザキイオリ様が出している小説「あの夏が飽和する。」未読の状態で書いております。作者が「小説を読む前に考察をしておきたい」と思ったためです。
曲は上からどうぞ。
1.1番Aメロ
長い空白の後に蝉の声と呼吸音→舞台が夏であること。そして歌っているリンちゃんレン君は人間である(この曲の中では)ということを示している。
「梅雨時ずぶ濡れのまんま部屋の前で泣いていた」
この時のリンちゃんは、「自分が人を殺した事」その事実が悲しくて泣いているのだと思う。死んだやつのことは少しあるけども二の次。
殺した時間はわからないけれど、殺したあと逃げるように雨の中を傘も差さずに帰ってきた。
「君はひどく震えていた」さっきの「その事実が…」につながる。人を殺した事実が怖い。
リンちゃんはこの時点で後々の事を考えられる余裕はないように見える。そのため、「ひとに追求されて罰せられる」とかの恐怖はきっと後。
「あの夏の日の記憶だ」
この回想をしているレン君はこの物語が終わって数年後のレン君と想像(冷静さ、達観視から。根拠なし推測)
「もうここにはいられないと思うしどっか遠いところで死んでくるよ」
この時は絶望しているけど、なんでそれをわざわざレン君に伝えた?
→以前からレン君リンちゃんは人生に絶望した仲間(後の歌詞)、リンちゃんの中に「レン君なら私に共感してくれる」という信頼があったと思われる。それを考えている時点でリンちゃんはまだ本気で死ぬつもりはないのだろう。
人生絶望中のレン君は、その信頼に応えた。何処かへ行ってしまいたかったから。
2.1番Bメロ
「いらない物は全部、壊していこう」
退屈、息苦しさを与えていたものは邪魔、過去の楽しい思い出も、いまはいらない→壊していこう
なぜ、ナイフを持っていた?→レン君にも殺したい相手がいて、以前からもっていた
または調理器具のナイフをこっそり持ちだした。後者の方がリアリティはあるけれど、個人的には前者。すぐに家出の選択肢を選べたレン君に殺したい相手がいたとき、ナイフくらいは買っていてもおかしくない。
3.1番サビ
「そして僕らは逃げ出した。この狭い狭いこの世界から。」
コメント欄に「狭い狭いと二回言うのが、二人が本当に広い世界を求めて逃げるんだって感じがする。」というコメントに凄く共感。
自分達を縛っていた家族も、クラスの奴らも、罪も、何もかも、この価値のない世界全部すてて君と二人で逃げ出す。人殺し
→一抹の不安と開放感。「もし再び縛られるのなら、死のう」レン君ははじめから覚悟が決まっているように見える。
「人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか。君は何も悪くないよ。君は何も悪くないよ。」
自分達の正当化。人殺しなんて当たり前にいる。不安を打ち消すように自分達は悪くないと言い聞かせている。リンちゃんに言う一回と、自分に向けた一回。だから二回悪くないと言っている。
4.2番A、Bメロ
「結局僕ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。そんな嫌な共通点で僕らは簡単に信じ合っていた。」
「もうここには(以下略)」のところで書いた人生に絶望した仲間である理由。
「嫌な共通点」嫌だと思う自覚→世間の普通(同じゲームをやっていたとか、そんな普通な共通点)を僻んでいたのだと思う。
「微かな震えも既になくなっていて」
→自己の正当化の結果。ちゃんと家出の開放感を享受している。
→「どこにもいける気がしたんだ。」「今更怖いものは僕らにはなかったんだ。」
この頃がきっと一番幸せ。
「今となっちゃどうでもいいさ」 リンちゃんパート
「あぶれ者の小さな逃避行の旅だ」
一番でレン君は「人殺しとダメ人間」だといっていた。
しかし旅の中と過去回想、そして「人殺しなんてそこら中湧いてるじゃんか」という正当化から2人は同じ「あぶれ者」になった。
「小さな」→旅をして世界は広い場所になった。だからたった2人の旅は小さい。
サビ前間奏 ここを書くために今僕はブログを書いていると言っても過言。
「不安だ」そう言ってるように聞こえる。さっき、家出の開放感の享受と書いたが、リンちゃんはまだ恐怖を感じている。この旅が楽しいからこそ、「いつまで続けられるのか」「いつ捕まるのか」そんな未来の想像からくる恐怖なのか。(人を殺したときより冷静になって先のことが考えられるようになった。)更に、今まで愛は受けてこなかったものの、家庭や学校という庇護を受けられなくなり、大きいと認識した世界におびえているとも考えられる。
5.2番サビ
サビはじめのレン君パート。さっきは開放感を感じていたレン君も「救われたい」と思っている。
リンちゃんパート。けれど、今までの人生でそんな者はいなかった。もう諦めたから旅に出たんだろ。
「自分は何も悪くねえと、誰もがきっと思っている。」
僕には、この言葉が「『自己の正当化』の正当化」に思える。
「みんなそうだ。だからなにもおかしくないだろう」
6.Cメロ
「あてもなく彷徨う蝉の群れ」→自分達も同じ
「揺れ出す視界」→物理的な限界
「鬼達の怒号」→警察や自分ら以外の人々
「馬鹿みたいにはしゃぎ合い」「ふと君はナイフをとった」
レン君側はまだいけると思っていたのでは(ふとという表現、はしゃぎ合える点より)
リンちゃんが限界を感じて、諦める。レン君に感謝を伝え「もういいよ」
「死ぬのは私一人だけでいいよ」
突然死んだリンちゃんが信じられないレン君。
リンちゃんとレン君では罪の重さが違う(リンちゃんは殺人だけどレン君は盗みくらい)
だからレン君は捕まっても大した罰は受けないだろうというリンちゃんの打算もあったと思われる。
最初からの目的の「遠いところで死ぬ」をリンちゃんだけ達成できた。
同じく悩みを抱える存在として一緒に旅してきたと思っていたのに、一緒に死のうとしていたのに、なんで僕を残して死んだ。この回想をしているレン君はまだそれで悩んでいる。
コオロギの鳴き声。夏の夜。夏の終わり。そして旅の終わり。
7.大サビ
「君だけがどこにもいなくって」
「まるで映画のワンシーン」からつながる。リンちゃんが死んだことが未だに信じられなかった。君が死んだことを認めたくなかった。
「ただ暑い暑い日が過ぎてった」→退屈な日々。家出ももう出来ない。
「家族もクラスの奴らもいるのになぜか君だけはどこにもいない」
家族もクラスの奴ら(自分達を縛り付けていたもの。嫌だったもの)はいる癖に…
君だけはどこにもいない
「あの夏の日を思い出す」「君をずっと探しているんだ」
君が死んだことはもうわかってはいるけれど…
最初に思い出を捨てた。(あの写真も、あの日記も)だけど、君との思い出は何より大事。
「君に言いたいことがあるんだ」
「君の笑顔は、君の無邪気さは、頭の中を飽和している。」
一度全て捨てたレン君に残っているのは逃避行の思い出だけ。
思い返す度に「何をしていたら君は生きていたのだろうか」と考える。
その答えが「誰も何も悪くないよ。君は何も悪くはないから」
「もういいよ。投げ出してしまおう。」そういってほしかったのだろう?答えてくれよ_
なあ__?
「どっか遠いところで死んでくるよ」のところで考察した通り、リンちゃんは本気で死ぬつもりはなかったんじゃないか。この曲のシナリオもほしかった答えの一つではあるのだろう。(一応リンちゃんは満足して死んでいる)だけど本当にほしかったのはさっきの言葉だけだったんじゃないか。
以上です。
ここまで読んでくれたあなたに感謝を。
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